Tao Garden 訪問記


2004年1月、タイ・チェンマイ郊外にあるタオ・ガーデンを一週間ほど訪ねた。
タオ(道家)の老師、マンタク・チア(謝明徳)のヒーリング・リゾートだ。
なかなかすばらしかったので、みなさんにもご紹介しよう。


端緒

 私がこのリゾートのことを聞いたのは、昨年夏、先輩サニヤシンのアサンガ(弓道師範・日本人)からだった。
 なんでも「接して漏らさず」を教えてくれるらしい。
 接して漏らさず…?、どっかで聞いたことあるな。

 そう、拙訳『ヴィギャン・バイラヴ・タントラ』第五巻、『愛の円環』に収録されている技法第48番だ。
 「性交を開始するとき、初めの火に注意を向け、それを継続しながら、終わりのおき火を避ける
 この「終わりのおき火」というのが、すなわち射精のことである。
 翻訳者としての責任上、本書にある技法はだいたい実践してみるのだが、この48番はなかなか難しい。
 射精の魅力は男にとって抗い難いものがあるのである。
 というわけで、この技法のことは、長らく忘れ去っていた。

 しかし本書の中でOsho は言っているのである ― 人間変容の乗り物として性エネルギーを使えたら、それが一番自然で良い、と。
 それで私も、そろそろタントラかな〜、とか漠然と考えていたわけだ。
 マンタク・チアの名前は私も聞いたことがあった。
 なんでも彼の著書は、欧米のOsho 瞑想センターなどでも広く読まれているらしい。
 それで私は興味をそそられ、日本語に翻訳されている『タオ性科学・男性編』(エンタプライズ刊・5800円)を取り寄せたのである。

 一読して、ちょっとびっくり。
 「接而不漏」の技法が、図版等を交え、極めて具体的に記述されているのである。
 「谷オーガズム」についての詳しい説明もある。
 これらはみな拙訳Osho本の中では、かなりあっさり触れられているのみであった。
 さすが中国人。
 こうしたタオの性技法は、日本では「房中術」という名で昔から知られているらしい。

 さらに続けて、『タオ性科学・女性編』、『タオ自然医学』の訳書二冊も、取り寄せて読破する。
 ただ難点は、どれも値段が高いことだ。
 翻訳はなかなかこなれている。
 それで、日本でこうした技法を経験できないものかと、訳者の鎌崎氏に問い合わせてみる。
 すると、残念ながら、すぐには予定はないとのこと。
 これはタイに行くほかないらしい。

 原著者のチア老師は、タイ北部・チェンマイに施設を持っている。
 タオ・ガーデンという名前だ。
 アサンガは昨夏そこを訪れ、たいへん気に入ったらしい。
 彼の持ち帰った資料やウェブサイトをあたると、1月中旬あたりに一週間の基礎リトリートがあり、その中で房中術も指導されるようだ。
 それで私も今回腰を上げ、リトリートに参加してみることにした。



申し込み

 資料によると、基礎リトリートは1月11日から。
 なんとかやりくりできそうだ。
 値段は、6泊7日・宿泊食事付で735ドル。延泊は65ドル。
 部屋にはいろいろカテゴリーがあって、この値段はスタンダードの相部屋(2ベッド)。
 その上に、セミ・デラックス、デラックスがあり、追加料金で個室にすることもできる。
 私はスタンダードの個室にして、二泊追加し、税込で千ドル少々であった。
 ちなみに、スタンダードからデラックスへのランクアップは一日あたり10ドル。カップルだったらこれは絶対オススメだ。

 最近は便利なもので、何でもネットで申し込める。
 ただ、タオ・ガーデンのサイトはちょっと不備があって、申し込みのフォームはあるのだが、うまく機能しない。
 それで、サイトに掲載されていたメールアドレスにメールして申し込む。
 するとジャリンという名の受付スタッフから英語で返事があって、200ドルを申込金としてスイス銀行の口座に振り込んでくれとのこと。
 ちなみに、海外送金する際は、シティバンクみたいな外国系銀行の方が、邦銀より手間がかからず、手数料も安いようだ。

 残金は到着時にドルで払う。クレジットカードも使えるみたいだが、少々割高になる。
 何か不明な点があったら、ジャリンに聞いてみるといい。
 とても可愛いタイの男の子である。
 タオ・ガーデンの受付スタッフは、ほかに何人か女の子たちもいるが、みんなとても可愛いらしかった。
 アドレスは、info@tao-garden.com ないしは、taogarden@hotmail.com
 タオ・ガーデンのホームページはこちら



タオ・ガーデンへの道

 今回私は、インド出張も兼ねていたので、バンコク経由で出かけた。
 すなわち、成田からインド航空ムンバイ行きに乗り、バンコクでストップオーバーし、タイ航空のチェンマイ行きに乗り換える。
 日本の旅行代理店で一括して買えばいい。
 バンコク・チェンマイ間は飛行機が頻繁に行き来しているから、わりあい簡単に行ける。
 バンコクで国際線ターミナルの外に出ると、無料のシャトルバスが、国内線ターミナルまで連れていってくれる。
 荷物も成田でチェックインすれば、チェンマイまで自動的に運んでくれる。ただしその場合、チェンマイ空港の国際線手荷物受け取り場でピックアップする。

 バンコク・チェンマイ間はわずか一時間なのだが、軽食が出る。
 私はインド航空に「インディアン・ベジタリアン」をリクエストしていたので、タイ航空でも自動的にベジタリアンになった。
 JALなどのベジはあまり良くないので私は避けるのだが、タイ航空の軽食に関しては、ベジのほうがお勧めである。
 
 しかし、日本からは、チェンマイ直行便で行くと、ぐっと楽だ。
 現在、週に三便ほど、成田・チェンマイ間をタイ航空が運行している。
 成田で搭乗したとたんにタイチックになるから、きっと楽しいことだろうと思う。
 かわいらしいスッチーが「サワディカー」と言って、合掌して迎えてくれるのであろうな。

 チェンマイ空港からタオ・ガーデンまではタクシーだ。
 空港のタクシーカウンターに、「タオ・ガーデン 400バーツ」とちゃんと書いてある。
 ちなみに、現在、1バーツ=3円弱。
 私の場合、ターミナルビルの出口のところに、タオ・ガーデンから迎えのタクシーが来ていた。
 目的地までは約30分の道のりだ。


タオ・ガーデンの地理

 ヒーリング・リゾートというと、まず思い出すのがインド・プーナのOsho コミューン。
 このタオ・ガーデンはいろんな意味でOsho コミューンと対照的だ。
 
 まずその立地。
 Osho コミューンはプーナ市内の住宅地にある。
 付近には商店やホテル、レストランや住宅などがあり、いろいろ便利である反面、ちょっと騒々しい。

 タオ・ガーデンは、チェンマイから数十キロ離れた、まったくの農村地帯にある。
 近所に小さな集落があり、数軒の店と、飯屋がひとつふたつ。
 買い物や外食はかなり不便である。
 ただ、車の音もほとんど聞こえず、空気もきれいで、環境としては、こちらの方に軍配が上がるであろう。
 そういえばOsho も、かつてプーナの郊外にコミューンを建設しようとしたのだが、当時のデサイ政権に妨害されて目的を果たせなかったらしい。

 広さは40ヘクタール。
 Osho コミューンはどのくらいか忘れたが、もしかしたらそれより広いかもしれない。
 建物の数はそれほど多くないから、ゆったりした感じ。
 大きな木々がそこここにあるのは、どちらも同じだ。おそらく南国だから木の生長も早いのだろう。

 一番大きな違いは、客がすべてレジデントだということ。
 すなわち、敷地内に宿舎があり、客はみんなそこに寝泊まりする。
 百数十人収容するキャパがあるという。
 通いの客がいないから、人口密度はぐっと下がる。


タオ・ガーデンの食事

 食事は三食ともタオ・ガーデンの食堂でとる。
 食費は宿泊費に含まれている。
 ここの食事は特筆に値する。

 なかなか洒落たレストランなのだ。
 池の上に建つ、中国風の八角形の建物。
 壁のない、半野外の構造だ。
 池には蓮の花が咲き、錦鯉が泳いでいる。

 料理はオーガニックのタイ&チャイニーズ。
 専門のシェフが料理する。
 基本的にベジタリアンだが、魚や鶏を使ったものも供される。
 野菜や鶏は自家製だという。
 あまりに種類がいろいろで、何を食べようか迷うほど。
 もちろん果物は豊富で、ほかに豆乳とか、珍しいデザートとか、自家製のパンやジャム。
 化学調味料はもちろん、砂糖もいっさい使わないんだそうだ。
 こんなすばらしい食事を供するところも他にあまりあるまい。

 チア老師のテーブルも特別に用意され、みんなと一緒に食事する。
 ときどき立ち上がっては、「これは何々に良いから、ぜひ食べなさい」みたいなアナウンスをする。
 それで私も毎日、ものすごく苦いアマラキ・ジュースを飲み、ちょっと辛いソムタム(青パパイヤ・サラダ)を食べたものだ。
 おやつのフルーツも食べ放題だから、気をつけてないと太るかも。


タオ・ガーデンの宿泊施設

 ガーデン内には二十少々の建物がある。
 その半数は宿泊棟だ。
 タウンハウスと呼ばれる棟が八つ。それからコンドミニアムが二棟だ。
 タウンハウスにはデラックスルームが三つずつ。コンドミニアムには十二ずつの部屋があり、一棟がスタンダード、もう一棟がセミ・デラックス。

 私はスタンダードに泊まった。
 リトリートはツインが基本だが、一日あたり20ドルの追加料金でシングルにすることもできる。
 シンプルだが清潔に掃除されており、気持ちがいい。
 シャワーとトイレが付属し、小さなバルコニーもある。
 ま、普通の人ならこの部屋でじゅうぶん満足できるだろう。
 私の場合、特に南向きの小川に面した角部屋だったから、すこぶる気持ちよかった。
 それから、これは私の部屋だけかも知れないが、壁に淡色で観音や仏陀の絵が描かれていて、なかなか趣がある。
 (よく見ると片隅に孫悟空もいた)
 ただ、夏期は北側の部屋のほうが涼しくて良いかもしれない。
 階下に浄水器があって、いつでも冷水・温水・熱水が飲める。
 (ついでに言うと、部屋の電話からインターネットに接続することもできた)

 スタンダード・コンドミニアムには専任の掃除の女性が二人常駐していたが、フレンドリーで安心できた。
 希望すれば毎日でも掃除してもらえる。
 貴重品は受け付けでも預かってもらえるが、私は部屋の金庫に入れて鍵をし、部屋は常時開け放していた。
 盗難などの心配はまずなかった。

 またシングルの場合、更に4ドル追加でセミ・デラックスへ、10ドル追加でデラックスにグレードアップできる。
 セミ・デラックスは覗かなかったが、デラックスはバスタブもあり、調度も文字通りデラックスで、その価値はあるだろう。
 なお、ここタオ・ガーデンでは、喫煙・飲酒は御法度である。


リトリートの面々

 リトリートは日曜の夜、チア老師によるオリエンテーションから始まった。
 参加人数は五十人ほどだったろうか。
 男女比はおよそ半々。
 多くは欧米人だった。
 そのほか、ウクライナとか、エジプト、南アフリカ、エクアドルなど、世界27カ国から参加者があったそうだ。
 日本からは、私とアサンガ。それから東京でボディワークをやっているという女性がひとり。
 地元タイからはほんの少々だった。

 Osho コミューンとの大きな違いは、「これひとつだけ」ということ。
 すなわちプーナでは、様々なコースやクラスがいろんなホールや部屋で同時進行している。
 一方、ここタオ・ガーデンでは、このリトリートひとつしか行われていない。
 若干のゲスト滞在者はいるが、あとはすべてこのリトリートに捧げられている。
 そして、チア老師が直接指導してくれる。

 リトリートというのは、つまり、泊まり込みの集中コースのこと。
 我々にお馴染みのアジズやフーマンのリトリートは、禅寺の接心みたいなもので、期間中は基本的に沈黙で、挨拶すらも交わさない。
 ところがこのリトリートは、会話も何も自由だ。
 私などアジズ・リトリートに慣れていたので、挨拶とか食卓での社交など、ちょっと面倒だった。
 でもまあ、村へ買い物に出たり、ネットでメールしたりできて、それはそれでよかった。
 金曜の夜にはパーティまであって、私はそこでちょっとした芸をやって、一躍有名人になってしまった。


リトリートの日々

 実は私にとって、こうしたタオの技法は初めてだったので、正直言って、自分が何をやっていたのかよくわからない。
 言葉はすべて英語、おまけにチア老師の英語はなかなか堂々たるタイなまりである。
 タイ人に言わせると「あれは中国なまりだ」ということだが、とにかく語尾を飲み込んでしまうから、慣れていないとすこぶる聞きづらい。
 たとえば、ヘルプが「ヘル」、ホールドが「ホー」にしか聞こえないとか。
 インドなまりだったら、おかげで今ではほぼ完璧に聞きこなせるんだけど。

 一番わかりやすかったのが、朝一番に、半野外で行われた気功(なんだろうなあ多分)。
 チア老師が壇上に登って、七時から約一時間、ストレッチから始まって、いろいろおもしろいエクササイズをやる。
 これはなかなか気持ち良いものであって、今でも毎日一人でやっている。
 (もちろん覚えきれないから、ライブVCDを買って、それに倣ってやっている)
 タオならではの変わった体操がいろいろある。
 中でも極めつけは、舌を引っぱり出し、会陰を引き上げつつ、珍宝を前後左右に引っぱるやつ。
 これは若さと健康の維持に卓効があるらしい。
 チア老師も、時間のないときには、これだけをやるのだそうだ。
 珍宝のない女性は、ヒモのついた卵形の石を膣に入れ、それを引っぱる。(それがない場合には、その「つもり」でやる。)

 そのほかに、午前中に三つ、午後に二つ、夜に一つのセッションがあり、夜の十時に就寝となる。
 そうしたセッションの中で、内笑法とか、鉄布衫功(てっぷざんこう)、小周天など、基本的な諸技法を習うわけ。
 そのうちの六〜七割を、チア老師が直接指導してくれる。

 で、肝腎の房中術だが、これは全体の一割くらいだったろうか。
 男女別れての講習であったが、特に実地研修みたいなこともなく、本のほうが詳しかったかな。

 それから英語について附言すると、解剖学用語が頻出するから、事前に覚えておくといい。
 五臓六腑はもちろん、腺(gland)、腱(tendon)、松果体、脳下垂体、胸腺、腰椎、仙骨、尾骨、会陰、睾丸、卵巣 etc..


チア老師

 さて、謝明徳老師。
 ここでは、マスター・チアと呼ばれる。
 今年、六十歳になる、中国系タイ人。
 著書によると、香港などで何人もの老師についてタオの奥義を学んできたという。
 その後、長年アメリカで教え、何年か前にタイに戻り、ここタオ・ガーデンを本拠に活動している。
 英語で広汎な著書があり、そのうち四点ほどが日本語に訳されている。

 一見すると、老師というより、どこにでもいそうなタイのおじさんである。
 初日の昼、アサンガたちと食堂でランチをしていると、「やあよく来たね」と近寄ってきて、手を差し出す。
 気さくな印象だ。

 その英語は聞きづらくはあるが、老師の指導は、やはり楽しい。
 きっと天職なのであろう、ユーモアを交え、飽きさせることがない。
 時おり見せる笑顔が魅力的。

 ここタオ・ガーデンのウリは、その素晴らしい環境と、やはりチア老師の存在であろう。
 1〜2月と7〜8月のリトリート期間は、チア老師が直接指導するらしい。
 ちなみにこの1月は、一週間の基礎リトリートに続いて、フュージョン1、フュージョン2という各一週間のリトリートがあり、初心者でも連続して出られる。
 その後、三週間にわたって闇リトリートというのが行われるが、これはかなりなものらしい。
 なんでも、セミ・デラックスのコンドミニアムをすっぽり覆い、真っ暗にして、そこで三週間過ごすのだという。
 リトリート期間以外は、老師は海外指導に出かけたりするようだ。
 わずか一週間の滞在だったから私にはよくわからないのだが、少なくとも、また会いたい人のひとりである。
 気功などに詳しいアサンガによると、「タオの技法をこれだけ包括的に指導できるのは世界でもマンタク・チアのほかにいない」とのことだった。

 チア老師はここのマスターであると同時に、経営のトップでもあるらしい。
 携帯電話を常に身につけ、様々な指示を与えている姿をよく見かける。
 この辺がOsho とは違うところ。
 さすが中国人であるなあと感心する。(おそらくバックにスポンサーがいるのだとは思うが)
 なんでも、9.11以降、お客が激減して、かなり苦境にあるらしい。
 「帰ったらここのことを友達にぜひ伝えてほしい」と最後のセッションで言われた。
 それで私もこんなふうに書いているわけ。
 (逆に言うと、今はお客が少ないからチャンスかも)


リゾート滞在

 リトリートに参加せず、ただバカンスで滞在することも可能だ。
 料金はシーズンによって異なるそうだが、基本的にスタンダード・シングルが一泊三食付きで85ドル。(ツインだと多分130ドルだと思う)
 リトリート参加者には割引があるらしい。

 ここには様々なヒーリング・メニューがある。
 そのうち幾つかを、アサンガに勧められて受けてみた。
 昼休みの空いている時間を利用する。

 まずはチネイザン(気内臓)。
 これは世界でここにしかないという、チア老師直伝のタオ・マッサージだ。
 タイ人のオバチャンに、腹部を徹底的に攻められる。
 素っ裸になって、腹をあちこちギューギューやられるのだが、かなり痛い。
 腸管が破裂したらどーしよー…とか思った。
 それから下って性器部分も。
 最初はナンカ気持ちよかったが、攻撃目標が陰嚢に移ると、これもかなり痛い。
 むくつけきオバチャンが股間に座って、両手でしごくわけだ。
 一時間近くのセッション。
 最後に「また来なさい」と言われたが、時間もないし、今回はご遠慮申し上げた。

 次はカルサイネイザン。
 これもここだけのユニークなもので、性器部分に絞ったチネイザンだ。
 人気のセッションで、なかなか予約も取りにくい。
 やはり素っ裸になって、別のタイ人のオバチャンに、下腹部から陰嚢にかけて丹念にマッサージされる。
 チネイザンほどではなかったが、やはりちょっと痛い。
 一時間近くやって、最後にオバチャンが身振りで、「上に上がっていったから大丈夫」みたいなことを言う。
 おそらく陰嚢内の何かがクリアされたのだろう。
 「また来い」とは言われなかったから、ちょっと安心する。
 チネイザン、カルサイネイザンともに、女性も受けられる。
 女性にとっても、「目からウロコ」のセッションであるらしい。

 次はタイ式マッサージ。
 これは別にタオガーデン・オリジナルではない。
 たまには気持ちよくなりたいと思って、二時間のセッションを予約する。
 施術者はネイザン系よりソフトな感じのタイ女性。
 小川に面した気持ちよい半野外のセッション・ルームであった。
 しかし、やっぱり痛い。
 特に、脚を攻める前半の部分。
 それで何度か「もうちょっとお手柔らかに!」と悲鳴を上げるのであった。
 
 というわけで、私の受けた当処のマッサージは総じて痛いものであった。
 しかしアサンガなどは「痛くないと効いた感じがしない」と言うから、きっと効果があったのであろう。

 それから、誕生の日時や場所から割り出す「五行占星術」のコンピュータ診断も受けた。
 まだよく読んでいないので、これから分析してみるところ。
 まだほかに未知のセッションがいろいろあるようだ。

 そのほかここタオ・ガーデンには、五つ星ホテルみたいなプールや、フィットネスクラブ、テニスコート、サウナなど、ヒーリング・リゾートとしての設備が完備されている。
 一月中旬といえば日本では真冬だが、チェンマイは日中30℃前後あり、じゅうぶんプールを楽しむことができた。
 また朝と夕方の「体操系セッション」はリトリート参加者でなくても自由に参加できるみたい。


というわけで…

 以上、タオ・ガーデンの印象を簡単に述べてみた。
 当初の目的、すなわち房中術のお勉強という部分はあまり果たせなかったが、施設や雰囲気は期待を上回るものであった。
 私はタオのことにまったく暗いので、その方面についてあまり参考になるようなご紹介はできない。
 気功や太極拳などに親しんだ人なら、また違った印象を受けるであろう。

 プーナのOshoコミューンも新しいブッダホールが完成したりして、再び活気を帯びてきているようである。
 ここタオ・ガーデンもまた、プーナとはひと味違った旅の行き先として考えてみる価値はあるだろう。

Parva             


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