ぱるば訳著書一覧
オショーのボンベイ時代、1972年10月から約一年間にわたって語られた全八十回からなる説法シリーズ。原書はかつてBook of the Secrets (秘法の書・全五巻)として刊行され、世界中の探求者に大きな影響を与えてきた。
シヴァによって与えられたという五千年前の瞑想技法集『ヴィギャン・バイラヴ・タントラ』を題材に、若きオショーが縦横無尽に語る。
その内容は、瞑想はもとより、宗教、哲学、芸術、心理、愛、セックス等、およそ人間生活にかかわる全般にわたっており、随所にオショーならではの透徹した叡智が輝いている。様々なエピソードやジョークをおりまぜ、巧みに人々を瞑想の世界へといざなってくれる。
オリジナルのシリーズは各八話、全十回シリーズで構成されており、邦訳は各シリーズ一巻の計十巻となっている。93年秋に第一巻『内なる宇宙の発見』が上梓され、98年春『空の哲学』出版をもって完結。
オショーの説法は毎回完結の読み切り篇であるから、本シリーズについても、必ずしも第一巻から読まねばならないというわけではない。おもしろそうな巻を適宜にピックアップして読めば良い。
|
第一巻 内なる宇宙の発見 1972年10月、インド・ボンベイでの説法。 |
|
第二巻 源泉への道 1972年11月、インド・ボンベイでの説法。 |
|
第三巻 第三の眼 1972年12月、インド・ボンベイでの説法。 |
|
第四巻 沈黙の音 1973年1月、インド・ボンベイでの説法。 |
|
第五巻 愛の円環 1973年2月、インド・ボンベイでの説法。 |
|
1973年3月、インド・ボンベイでの説法。 |
|
1973年5月、インド・ボンベイでの説法。 |
|
1973年7月、インド・ボンベイでの説法。 前巻の『光と闇の瞑想』が出たのは昨年11月だから、5カ月ぶりの続刊。 ひさしぶりに「訳者あとがき」も書いたのでよろしく。タイトルの『存在とひとつに』およびピンクを基調としたカバーデザインは、「今回は女性向きに」という出版社の意向でこうなった。 |
|
1973年8月、インド・ボンベイでの説法。 あいかわらず市民出版社らしい地味なタイトリングで、まず記憶には残るまい。ただカバーデザインはスワミ・タブダールの担当で、いつもながらシックな出来上がりになっている。この調子で第十巻もやってほしいものだ。 ちょうど来日中だったオショーのインド秘書ニーラムに本書を見せたところ、いたく気に入ったらしい。「ステキな仕上がりね。オショーの様子が目に浮かぶようだわ……きっとこの本を手にして、『mmm...this is beautiful!』と言ったことでしょう」なんてコメントしてくれた。感謝! まっ、本書に限らないんだけどね。日本のオショー本のデザインは総じて美しい。翻訳のほうもそれに負けないようにガンバラなくっちゃ。 内容の方は改めてご紹介するまでもあるまいが、やっぱりオショーなのだ。いつもながらドキッとするようなことを言ってくれる。たとえば、「弟子たちはいつも導師をめぐって戦い続ける。誰も自分の導師のことを二番目だとは思わない。自分の師はいつも一番だ。でも師が一番であるかどうかは、実はどうでもいい。自分の師が一番であれば、自分もまた一番になれる。それこそが肝心な点だ」……なんてね。オレも身につまされるよ。 市民出版社 2500円 |
|
第十巻 空の哲学 (1998/5/29) 1993年10月に刊行が始まった当シリーズ。四年半たってこの(98年)5月にめでたく完結した。 写真を見てもおわかりのとおり、なかなか洒落た仕上がりだ。『空の哲学』というタイトルがイカしているし、白をベースにしたブックデザインもいい(designed by タブダール)。帯の色合いもいい。さっそく、本の雑誌『ダヴィンチ』の最新号にも採り上げられたそうだ。 思えば今から十二年前、東京・目黒にあったイア瞑想センターに初めて出かけたおり、紹介されたのが本書だった。瞑想法についての本が欲しいと言ったら、センターの人が書棚から本を何冊か取り出してきて、目の前にドサッと積み上げたのだ。もちろん全部英語。「これぜんぶ読むの?」と内心途方にくれたものだ。「The Book of the Secrets」という全五冊のオショー説法集だった。 その四ヶ月後、オレはオショーの弟子となってヨーロッパから戻ってくる。 以来、家で、仕事場で、プーナのコミューンで、うまずたゆまず翻訳に携わった。 だから十巻完結した今も、とりたてて深い感慨があるというわけでもない。 |
|
ヴィギャン・バイラヴ・タントラ「112の瞑想カード」(1998/5/29) 98年5月に完結した「ヴィギャン・バイラヴ・タントラ」シリーズの関連図書。シリーズに登場する百十二の瞑想技法が一枚ずつのカードに収められ、オショーコミューンのアーティストたちによって絵がつけられている。 カードのそれぞれに、瞑想技法と訳書中の掲載ページが載っている。 ただ、まだ十巻揃えていない人のために、本セットにはスペシャル付録として「解説書」がついている。 この「抜粋集」はじつのところ、私ぱるばの秘密兵器だったのだ。瞑想イベントなどでタントラ瞑想の指導をするとき、アンチョコとして、コレを使っていたというわけ。 |
この説法集については今までも本ホームページ上にいろいろ書いたので、くわしくはそちらに譲るが、ここまで来るまでにはいろいろあったのだ。そもそも本書は三年前、講談社が出版に意欲を見せていたのだが、某宗教団体のスキャンダルなどもあってお蔵入りになるという経緯もあった。
その後、市民出版社が乗り出し、このたびの出版となった。ブックデザインはおなじみのタブダールだが、これがなかなか大変な作業だったらしい。というのも本書はウパニシャッド(喜納昌吉)の強い意向によって生まれたのだが、彼にはまたデザイン的なこだわりがあったようだ。それで写真とか題字とか構成にいろいろ注文があったらしい。(訳文には注文がなくてよかった)。
ま、それもあってか、オショー最後の説法集にふさわしい、美しい本に仕上がっている。ちなみにこのカバー写真は、プーナ・コミューンにあるオショーサマーディ(霊廟)に飾られているものだ。照稿者モンジュの協力もあって、訳文もなかなかいいんじゃないかと思っている。さて、日本にオショー禅の花が咲くであろうか。 市民出版社 2880円
変な題名であるが、要するに、日本とインドで布づくりに励む女たちを題材に書いた本。主人公は、染織デザイナーMa
Prem
Shakti(文中ではチアキ)と、その妹で同じく染織デザイナーのMa
Prem
Diksha(カオリ)、そしてインド人パートナーのニルー・クマール。私ぱるばもときどき出てくる。
これが、けっこう反響を呼んでいるのだ。先週も朝日タウンズ(朝日新聞にはさみこまれるマガジン)多摩版に書評が載ったし……。昨年末には、どういうわけか北海道新聞の記者がこの本を読んで取材に来て、「田中ぱるば」氏は写真入りで「著者紹介」コーナーに登場することになる。
じつは昨日、久しぶりにこの本を読んでみたんだけど、われながらなかなかケッサクだと思った。書き始めたのが去年の始めごろ。ちょうどインドにいたときだ。オショーコミューンにほど近い自室で、夜な夜な書きつづっていたことを思い出す。
この作業がけっこう楽しかった。正直言って、オショーの説法を翻訳するより楽しかった。オショーの説法だと、あんまり勝手なまねはできないからね。ところが自分の作品なら、あることないこと、なんでも書き放題。あとで知人たちから、「よくこんなことまで書いたねえ」とか言われたものだ。
なんとこの本、日本図書館協会の選定図書にまでなってしまった。「図書館に置いて広く一般大衆に読まれるべき良書」というお墨付きをもらったわけだ。オショーが登場する本で図書館協会の選定になったのは、おそらくほかにないんじゃないかと思う。
実際この本、主人公はいちおう三人の女たちだが、カゲの主人公はオショーだと思っている。オショー自身はそんなに出てこないんだけど、文章のスタイルとして、できるだけ覚醒を保ち、同化せず、観照者として書くように努めた。書評などではその点について「ユーモラスな語り口」とか「独特の文体」とか言われるのだが、私としては、このなんとなく瞑想的なところを感じとってほしいと願っている次第。 市民出版社 1900円
***