ぱるばか日誌 2003                

 


1月4日 乳酪

 みなさん、明けましておめでとう。
 ま、オレは別に明けなくてもおめでたいんだけどね。
 正月を日本で迎えるのは、紀元2000年以来、三年ぶり。
 ここ十数年はインドで年を越すことが多かった。
 
 さて、ちょっと唐突であるが (…いつもそうか?)、今日はヨーグルトの話。

 あれは確か三年前のことだったか。
 インド・プーナにさる高名なアユールヴェーダのお医者さんがいた。
 ドクター・サダナンダといえば、ご存じの方も多かろう。日本にも毎年お見えである。
 そのドクターの診察を受けたのだ。
 いや、別に悪いところがあったわけではない。
 しいて言えばちょっと便秘気味かな…くらい。
 要するに健康診断をしてもらったわけ。

 ドクターは脈診をして、それから舌をちょっと見る。
 脈診というのは、手を取ってその脈を見るだけなのだが、それですべてがわかってしまうのだから驚きだ。
 私は特に悪いところはなかった。肝臓がちょっと疲れ気味かな…という感じ。
 そしてドクターがいろいろアドバイスをくれる。
 その中で今でも憶えているのは、ヨーグルトとバナナはダメという指示。
 私はそのどちらも好きだったのだが、以来、その両方とも、ほとんどぱったり止めてしまった。

 インドでバナナを食わないというのは、ちょっと不便なことではある。
 Oshoコミューンの食堂には、必ず並んでいるから。
 もちろん、日本で食うのよりずっとウマイ。
 ま、パパイヤやマンゴーがあるから、我慢するか。

 ヨーグルトに関しては、バナナほどの不便は感じなかった。
 私はそれ以前、日本でケフィア菌のヨーグルトを作って食べていた。
 けっこう気に入っていたんだが、ドクターの指示に従ってきっぱりと止めた。

 ところが、最近、またぞろ始めたのだ。
 カスピ海ヨーグルトってやつ。

 ひと月ほど前、近所の友人が、突如、ウチに持ち込んだのだ。
 聞いたこともない名前だったが、ネットで調べると、けっこう流布しているらしい。
 オレはヨーグルト御法度の身だしなぁ…と思いつつ読んでいると、いろんな効能書きの中に、「便の保水性が増して、お通じが良くなる」とある。
 それなら試してみようかな…と思う。

 尾籠な話で恐縮だが、ドクター・サダナンダにもちらっと話した「便秘」。
 じつはそんなに大したものではないんだが、痙攣性便秘とでも言うのか、要するにウサギのウン状態。
 これはあまり気持ちのイイものではない。
 それがここ数ヶ月、ずっと続いていたのだ。
 肥田式に励んでも変わらないし、ハタヨガも効果がないようだ。(ハタヨガは半月くらいだったけどね)

 ところがこのヨーグルト、なんだか効くようなのである。
 それでここんところ、せっせと毎日食べている。
 ドクターの指示に逆らっちゃって、いいんかな〜!?
 (ただ、知り合いのインド人は、「酸っぱくないヨーグルトならOK」とか言っている)
 (ついでにバナナも解禁にしようかな〜)

 豆乳でできるというのもおもしろい。
 けっこうイケルのだ、豆乳ヨーグルトも。
 (私が試したのは、紀文で出してる調整豆乳だけどね)
 種菌はネット上でわけてもらえるみたい。
 というわけで、万一あなたに同じ悩みがあったら、ご参考までに。
 (ただ、即日効くってわけじゃないけどな。何事も継続が肝心)


1月9日 レンタルサーバ

 ここ数日、拙HPにアクセスして、オヤっと思われた向きもあるにちがいない。
 いつまでたってもページが表示されなかったり、表示されても昔の記事に戻っていたり…
 これは別に私が悪いわけではない。
 新年早々、我がプロバイダのホームページサーバに、連続して障害が発生したのだ。

 私の使っているプロバイダは「ドルフィン・インターネット」という。
 だからHPアドレスも din なわけ。
 なぜこんなマイナーなプロバイダを使っているかというと…。

 今を去る七年ほど前、初めてプロバイダなるものに契約したとき、東京立川地区(0425)にアクセスポイントを持っていた数少ないプロバイダのひとつが、このドルフィンだったのだ。
 お隣の八王子市にあるネット接続会社。
 「時間無制限、メルアドひとつ、HP容量10M(商用可)つきで、月2千円」。これはまあ安い方だったかな。
 メルアドが簡単なのも気に入った。 xxx@din.or.jp だからね。

 ところで、HP容量10Mというと、最近ではちょっと小さめだけど、かなり使いでがあるものだ。
 たとえば、私のやっているもうひとつのサイト、真木テキスタイルスタジオHP
 HP開設六年半で、数十のページと数百の画像を擁しているが、いまだ10Mもいっていないと思う。
 このサイトも、もともとはドルフィンのHPサーバを使っていたのだが、昨年、レンタルサーバに移行した。
 同じドルフィンの運営するレンタルサーバで、総容量100M、メルアド20(だったかな?)つきで、月2千円。
 (ただしネット接続サービスはついていない)

 レンタルサーバというのはすなわち、安価で容易に独自のドメイン名が持てるシステムである。
 たとえば、私が会長(CEO!?)を務める弊社は、以前のアドレスがwww.din.or.jp/~makiであったが、それがwww.itoito.jpに変わったわけ。ね、簡単でしょ?
 「真木テキスタイルスタジオ」であるから、maki.comとか、maki.co.jpとか、maki.jpとかが取れたら良かったのだろうが、そんな名前はもうとっくに他のヒトが取っている。
 それでいろいろ考えたんだけど、ウチは糸を扱う商売だから、itoitoにしたというわけ。(単なるitoも既に無かった)
 「お名前.com」というサイトで取得した。

 これでHPアドレスが少なからず簡略化した。
 ことに以前のアドレスdin.or.jp/~makiの中にあるナメクジマーク「~」が追放できた。
 この入力がけっこう難しかったりするのだ。(拙ぱるばごっこにはいまだナメクジ健在だが)
 さてこの努力が業績に実を結ぶであろうかっ!?
 ともあれこのレンタルサーバ、同じプロバイダのメインHPサーバが障害を起こしても、別に異常はなかった。
 利用者が少ない分だけ、安定しているのであろうか。



1月12日 コッティンビ

 このタイトルでピンと来る人は、おそらくインド・プーナあたりでかなり食通だった人だろう。
 ある野菜の名前なんだけど、わかんねーだろーな、マラティ語だから。
 ヒンディー語で言うと、ダニヤ。
 これでも多分、わかるまい。
 タイ語で言うと、パクチー。
 もうわかったなか?
 中国語で言うと、香菜。
 もうわかったね。
 ちなみに英語ではコリアンダー。日本語では中国パセリとも呼ばれるらしい。

 独特の香りを持つ野菜…というか薬味なのだが、私は昔からこれが大好き。
 プーナのインドレストランで食事をするときも、「香菜をたくさん入れておくれ」と、よくボーイに注文したものだ。
 だから現地語であるマラティ名も知っているというわけ。

 先日の日誌にも書いたように、基本的に胃弱な私であるが、インドにいるときは不思議に調子が良かった。
 今から考えるに、この香菜が一役買っていたのではないかと ― 。
 かなり薬効のある野菜であるようだ。

 最近読んで面白かった本に、『未来医療・O-リングテスト』(児玉浩憲著・医道の日本社 1800円)というのがある。
 これはO-リングの創始者、大村恵昭博士の半生を描いたもの。
 その中に、香菜の効用が書いてある。
 なんでも、体内の重金属を外に排出させるらしい。

***

 じつは昨日、ピロリ菌検査の結果が出たのだ。
 私の中にはうじゃうじゃいるみたい。
 「うじゃうじゃ」というのは、カルテをちょっと覗いてみたところ、+3 のところにチェックが入っていたからだ。
 「この +3 って何ですか?」と医者に聞いたら、ピロリ菌の数らしい。
 +3 以上の数値はカルテ上に存在しなかったから、きっとうじゃうじゃいるのだ。

 そこでさっそく即日、除菌を開始した。
 一週間、抗生物質を含む薬剤三種を服むのだ。
 除菌できると、潰瘍の再発率が劇的に下がり、また慢性胃炎もなくなる。
 除菌の成功率は80%だという。
 ということは、5人に1人、除菌に失敗するということだ。

 家に帰ってネットで調べると、最近は耐性菌の出現などで、成功率が下がっているらしい。
 ある大学など、37%の成功率しかなかったという。
 これは由々しきことだ。
 そこで私は、必勝を期して、勝手に、思いつく限りの補助手段をとることにした。

 補助手段・その1 マヌカ蜂蜜をなめる
 昨日、青山のナチュラルハウスを覗いたら、高活性のマヌカ蜂蜜が置いてあった。活性度(UMF)16だ。
 250gで3500円とちょっと高かったが、薬だからしょーがない。
 マヌカ蜂蜜にはピロリ菌をやっつける力がある。
 ネットで調べると、薬剤と併用しても問題ないとのこと。
 そこで朝夕の空腹時、および就寝前にティースプーン一杯、摂取する。
 濃厚で美味なハチミツである。

 補助手段・その2 香菜を食う
 (以下三つの補助手段は、大村恵昭博士が抗生物質を処方する際、補助として併用するもの)
 体内の臓器に水銀や鉛など重金属が沈着すると、その部分に抗生物質が浸透しない。
 すると菌がのんびり暮らせるわけだ。
 そこで香菜を摂取して、せっせと重金属を排出するのがいい。
 また、魚冶(後出)の女将によると、香菜などセリ科の植物には抗菌作用があるとのこと。

 補助手段・その3 手の平マッサージ
 両手の平には、各臓器を代表する領域がある。
 その部分をマッサージすると、該当の臓器の血行が盛んになり、薬剤の効能も増す。
 胃の代表領域は、両手中指の付け根あたり。
 ヒマなとき、できるだけそのあたりをマッサージする。
 
 補助手段・その4 しめサバを食う
 別にシメサバじゃなくてもいいんだけどね。ただオレの好物なだけ。
 青魚に多く含まれる脂肪酸「DHAとEPA」には、抗ウィルス・抗ガン作用がある。
 (あんま関係ないか…。ピロリ菌はウィルスやガンじゃないし…)
 でもDHA&EPAには血液をサラサラにするなどの作用があるので、良いに違いないのである。
 サバという魚は特にそれが豊富なのだ。Cava bien? 
(←これフランス語のつもり)

 というわけで、うららに晴れた今日の昼ごろ、ウチから車で20分ほどの「あきるの東急」に出かけた。
 このへんで香菜を売ってるのはそこくらいだからね。
 三袋あったので、それを買い占めて帰途に就く。
 ただ問題なのは、ウチのShaktiがインドに行って不在なこと。
 オレは料理ができないのだ。

 ちょうど昼飯時だったので、香菜を握りしめ、魚冶に直行する。
 魚冶というのは私たちのキッチンだ。
 五日市にある小さな食べ物屋さんだが、他県からわざわざ食いにくる人々がいるくらいの、良い店。
 ほんとは寿司屋なんだけど、客がいなくてヒマなときには、オムライスでも魚のムニエルでも何でも作ってくれる。
 女将のナツコさんに香菜を手渡して、これを味噌汁に入れてちょうだいと頼む。
 メニューボードを見ると、関サバの刺身1300円とあったから、ちょーどいいやと思って、それを頼んで飯を食った。
 もちろん、香菜しか入っていない味噌汁もちゃんと飲む。けっこうウマいんだ、これが。
 これで補助手段のNo.2とNo.4を一挙に達成!
 明日は香菜入りカボチャスープを作ってれるという。
 かくのごときうるはしき愛と連帯を前に、かのピロリ菌はいかに応えるであろうかっ!?

 それだけじゃないぞ、(まだ読んでるヒトいるんかな!?)、料理のできない私とて、夕飯は食わないといけない。
 それでじつは、あきるの東急で、悩みに悩んだ末、「化学調味料不使用」を謳うマギーブイヨンを買ってきたのだ。
 もとよりスープなぞ作ったことのない私だが、今回は人生の重大事である。
 そこで、畑から野菜を採ってきて、餅も焼いて、洋風の雑煮を作って食ったのだ。もちろん香菜入りで。
 けっこうウマかった。
 (ただ、量がよくわからずマギーブイヨンを六人ぶん入れてしまったから、しばらくはブイヨンブイヨン♪の生活だ)

 教訓
 香菜はなにも、インド料理や中華、タイ料理に限るものではない。
 味噌汁でも洋風スープでもじゅうぶんイケル。

 香菜はけっこう簡単に栽培できる。
 私はかつて、市販のコリアンダーの実をプランターに蒔いて、ベランダで栽培したことがあった。
 重金属ばかりでなくアルミなども排出してくれるらしいから、大いに食すべしであろう。

***


 ん!? これはびっくり!
 外でフクロウが鳴いている。
 「ホッホー ゴロスケホッホー」と。
 春や夏にはよく耳にするが、こんな寒中にも鳴くんだな。今10:41PM


1月13日 座右の書

 最近、私にも「座右の書」なるものができた。
 ズバリ書名を言っちまおう。『聖中心道・肥田式強健術』(肥田春充著・壮神社)
 ずっしり分厚い本で、私はまだ読了していない。
 読了していないからこそ、座右の書なのであろう。
 読み終わってしまうのがもったいなくて、読了しないのである。

 肥田春充(ひだはるみち)の本は、過去に『独特なる胃腸の強健法』と『強い身体を造る法』を読んだことがあった。
 いずれも比較的前期の作だ。
 面白いとは思ったが、ちょっとかったるくもあった。

 だから肥田春充に関心のある人は、まずなにより、『聖中心道・肥田式強健術』を読むべきであろう。
 肥田式のバイブルと呼ばれる本だ。
 前述の二冊との相違、それはすなわち、春充の「大悟徹底」である。
 先の二冊は「それ以前」の著作、後者は「それ以後」だ。

 そして春充は、「それ」に至る方法論を遺している。
 それが「聖中心道」と呼ばれるものだ。
 私は今その実験をしている。
 そのプロセスについては随時、拙HPでお伝えしようと思う。
 私が三年ぶりに本日誌を再開したのも、あるいはそのゆえだったのかもしれない。

 肥田春充について知りたい人は、聖中心道肥田式強健術のページへ。


1月17日 デンタル「O-リング」

 O-リングといえば、おそらくみなさんご存じであろう。
 私はつい最近知った。
 それまでは、名前は聞いたことあったが、なんとなく胡散臭い…って印象だった。

 ところが、ある人から紹介された『未来医療・O-リングテスト』(児玉浩憲著・医道の日本社 1800円)という本、これは先日もちょっと触れたが、それを一読して、印象が一変した。
 非常に科学的な背景があるらしい。
 これはぜひ一度体験してみなきゃ…。
 (私は子供の頃から理科が大好きで、とくに生物の成績なんぞいつも「10」だった)

 本書を紹介してくれた「ある人」というのは、じつは私の肥田式の先生・S 師である。
 そこで私はS 師にお願いして、O-リングテストを実施している歯科医を紹介してもらった。
 別に歯が痛かったわけではなかったが、多少不具合を感じる部分があったのだ。
 ま、こんなことでもない限り、あんまり行きたくないじゃない…歯医者なんて。
 山手線・目白駅から徒歩数分の「清水デンタルクリニック」という歯医者さん。

 さっそくこの清水先生、O-リングを使っていろいろ調べてくれる。
 それがじつにおもしろいのだ。
 先刻ご承知とは思うが、O-リングとは、指で作る輪である。
 昨日は、右手の親指と中指、親指と薬指、親指と小指、この三つの輪を使った。
 たとえば、親指と中指で輪を作って、ぎゅっと力を込める。
 それを清水先生が両手を使ってコジ開けるのだ。

 基本的に、身体に良い場合は、輪は開かない。
 当然のことながら、中指で作った輪が一番強い。次いで薬指。そして小指の輪がいちばん弱い。
 だから、小指の輪も開かないようであれば完璧であり、逆に中指の輪が開くようでは問題なわけ。
 左手で様々なものを握ったり触れたりしながら、右手の指で輪をつくり、先生がそれをコジ開ける。
 そんなことでと思うのだが、とにかく不思議なことに、中指の輪が簡単に開くこともあれば、小指の輪が開かないこともある。
 これは自分の力ではいかんともしがたい。

 たとえば、水銀アマルガムを使った詰め物。
 よく虫歯の部分に詰める、銀色の物体だ。
 その部分に左手で触れながら、右手でO-リングを作ると、中指の輪も簡単に開いてしまう。
 これは水銀アマルガムが身体によくないということだ。
 かつてOshoタイムズにも記事が載っていたが、水銀アマルガムの有害性については、特にアメリカなどで問題になっている。
 歯磨きをするたびに水銀が溶け出して、体内に蓄積するのだ。(そしてその部分にバクテリアが棲みついたりする)

 水銀サンプルを左手に握ってO-リングテストをすると、やはり簡単に開く。
 すなわち体内に水銀が蓄積しているということらしい。
 しかし、鉛およびアルミのサンプルを握ってテストしても、輪は開かない。
 これは鉛およびアルミは蓄積していないということ。(香菜の効果かな!?)
 そのほか、アレルギーの有無、私の身体に無害な歯科用金属など、O-リングテストで調べてもらう。
 ともあれ、まずは水銀アマルガムを除去したほうがよいようなので、インドに行く前にその処置をしてもらおうと思う。
 わりあい簡単にできるらしい。

 O-リングテストに関心のある人は、日本バイ・ディジタルO−リングテスト医学会のHPに、創始者・大村博士による認定医のリストがあるので、参照のこと。
 ただ、非認定医だからすべてダメということでもあるまい。
 清水先生も認定医じゃないし…。
 じつは私、明後日、某研究所で開かれる「O-リング教室」に出席しようと思っている。
 何かおもしろいことがあったらまたご報告しよう。


2月4日 デリーより

 今、インドの首都デリーにいる。
 こちらに来たのが1月23日だから、もう12日ほど経つか。
 パソコン持参で毎日ネットに接続していたのだが、仕事関係のHP更新に忙しくて、なかなかこちらまで手が回らなかった。
 仕事というのは織物関係なんだけど、関心のある方はこちらをどうぞ。

 もう三日後には帰国なんだけどね。
 今回はここ十数年続いた慣行を破るのである。
 すなわち、プーナに行かないのだ。

 プーナに初めて行ったのはいつだったかなあ…
 1988年の二月頃だったかと思う。
 今から15年ほども前のこと。
 その頃はまだOshoも生きていて、ブッダホールで説法を垂れていた。
 当時は朝と夕方の一日二回、説法していた。

 それから毎年一度はプーナに出かけていた。
 もっとも、ここ二三年は、プーナに行ってもコミューンに顔を出すことはあまりなかった。
 もっぱらアジズごっこに忙しくて。

 コミューンのHPを見ると、新しいブッダホールができたらしい。
 美しいホールみたいだから、縁があったら行きたいなあと思っていたが、どうやら今回は縁がなかったようだ。
 もっとも、その程度の縁ならいくらでも作れるわけだから、実際は、あんまり関心なかったんだろな。

 今、夕方の5時20分。
 デリー郊外の機場(はたば)にいる。
 まだ陽が出ていて、気温は18度くらいか。
 非常に心地良い陽気だ。

 今日はこれからビジネスパートナーの一家と外食だ。
 行く先は我々が決める。
 グジャラート料理か、さもなくば南インド料理にしようと思う。
 なかなか日本じゃ食えないからね。


3月3日 フルーツ・リトリートに出た

 フルーツリトリートって、名前が美しいよね。
 あれっ、フルーツ断食だったかな!?
 ま、どっちでもいいや。
 最近、修善寺リーラスペースで流行ってるやつ。
 今回で四回目だそうだ。
 私は初めての参加。

 木曜夜集合なんだけど、私は都合で金曜夜にリーラ入り。
 土曜の朝からムシャムシャとフルーツを食う。

 これはフーマンの示唆によるものだ。
 フーマンいわく、「月に一日、フルーツだけで過ごす日を設けなさい」と。
 なんでフルーツなのだろうと思ったが、浄化になるのだそうだ。

 ちょっとした断食の経験ならあるが、フルーツ食というのは初めて。
 これは不思議な体験である。
 ムシャムシャとフルーツを食っていると、なにか先祖返りというか、ノスタルジアというか、そんな気分になる。

 昔Oshoタイムズで読んだ気がするが、人類はそもそも果食だったんだそうだ。
 歯の形がそのようである。
 そういえば猿は主に樹上に棲み、果食をしておる様子。

 ウチの庭に生えているビワの実なんか、みんな山の猿に食われてしまった。
 まるごと食って、種だらけの糞をひる。
 その山の猿ども、雪が降ろうが、霜が下ろうが、家も衣服もなく山で暮らしている。
 私とほとんどDNAが変わらないのに。
 果実を生で食っていると、身体が強くなるのであろうか!?

 私の先祖が樹から降りたのは、500万年ほど前のことか。
 そして火を使い始めたのは50万年ほど前。
 いずれも、哺乳類6500万年の歴史から見ると、ごく最近のこと。
 私の先祖はずーっと長い間、常温の果実を食って生きてきたのだ。
 だからフルーツ・リトリートも、きっと何らかの意味があるのであろう。

 リンゴ、みかん、オレンジ、グレープフルーツ、バナナ、パパイヤ、パイナップル、いちご、メロン…
 いろんなフルーツが修善寺のキッチンに並ぶ。
 しかしだ、土曜日は、わけても寒い冬の雨降り。
 こんな日に南洋のフルーツなど食べたら冷えが心配だ。
 それで、今この地に存在しうる果物、すなわち、リンゴ、みかん、プルーンのみを食うことにする。
 更には、超人・肥田春充に倣って、みかんも外皮をむかず丸ごと囓るよう努める。(残留農薬が心配ではあるが)
 キッチンから外を見ると、ウソが一羽、まだ固い桜のつぼみを丸ごとついばんでいる。
 でもちょっと、うすら寒いので、備えつけのショウガをすりおろして湯に溶いて飲む。これですっかり身体が温まる。

 さて、その効果やいかに!?
 じつは、翌・日曜は、復食ということで、早くも朝から粥が出る。
 やっぱウマかった。
 主催者のキヨタカいわく、木曜からフルーツ食を始め、金曜、土曜と続けていると、効果も本格的なのだそうだ。
 ウ〜ム、本格的に試してみるか!?
 毎月やるみたいだし。
 (やっぱ、あったかくなってからにするか!? そうすればメロンもスイカも食い放題だし、唱道者のフーマンだって常夏の国に住んでることだし…)
 そういえば、修善寺では既にウグイスが鳴いていた。



3月14日 パックの中のカスピ海

 最近、ちょっとブレークしている模様の、このヨーグルト。
 きっと、みなさんのお宅にも到来しているのではあるまいか。
 私ももう四ヶ月ほど愛飲しているが、なかなか具合がよろしい。

 何がよろしいのかというと、まず、取り扱いが楽なのがよろしい。
 私は以前、ケフィアをずーっと育てていたが、一月に一度くらいは菌を更新していたように思う。
 雑菌などが入って、品質が劣化するのだ。
 ところがこのカスピ海、四ヶ月たっても、ほとんどまったく劣化が見られない。
 (インドに行っていた二週間は冷蔵庫の中で越冬)

 私の養育法は、かなりズボラだ。
 カスピ海関係のHPを見ると、容器を熱湯消毒せよとか、清潔なスプーンを使えとか、いろいろ衛生上の注意がある。
 そういう御指導には、あまり従わない。
 私の場合は牛乳パックをそのまま使う。
 ひとつのパックのカスピ海が終わると、そのパックの中に新しい牛乳パックから牛乳を少々流し込み、カクテルみたいにシェークし、それを新しい牛乳パックに戻す。それを放置するだけ。
 「酸素が必要なのでパックの口を開けてティッシュペーパーで覆え」という御指導もあるが、私の場合、そんな面倒なことはせず、軽く口を閉めるだけ。
 
 これ、豆乳でもできる。
 ただ、牛乳よりちょっと難しい感じ。
 ウチの近所で売っているのは「紀文の調整豆乳」。一度、固まらず、1リットル駄目にした。
 最近は、牛乳を豆乳を半々に混ぜて作っている。
 これはなかなか調子いい。

 食べ方だが、最近はきな粉を入れている。
 きな粉にも、黄とか緑とかいろいろあるが、私のお気に入りは黒豆きな粉。
 黒豆ったって、別にきな粉が黒いわけじゃないのでご心配なく。
 値段は少々高いが、香ばしくていい。

 きな粉のほかに、ドライ・ブルーベリーとか、その他、適宜に実や種子やナッツ類を配合する。
 ブルーベリーって、目にいいっていうし。
 カスピ海は粘度が高いから、きな粉もなかなか溶けにくい。
 しかし前もってきな粉と種子類を混ぜておくと、カスピ海に溶かすのも楽になる。
 ま、細かいことだが、ともあれ、カスピ海に黒豆きな粉と種子類を混ぜて食べると、これがなかなか美味なデザートになるのだ。
 シリアルを混ぜるのもよかろう。
 それでお通じが良くなり、花粉症も軽減したという人もいたりするから、けっこういいんじゃないかと…。


4月13日 津田沼

 春の瞑想シーズン到来!
 ゴールデンウィークを二週間後にひかえ、毎年この時期になると、たくさんの瞑想リーダーたちが海外からやってくる。
 メディテーション・マーケットもよりどりみどり。
 私はここ数年、修善寺のリーラスペースに出入りしている。

 四年前はキヨタカが掃除中に屋根から落っこち、腕を複雑骨折。おりからミーラのペインティング・グループが開かれるところだったが、急遽私が呼ばれて、通訳をすることになった。(ついでに私はキヨタカの葬儀委員長にもなる)
 三年前は、Oshoの弟、サイレンドラの「無音の音」グループ。
 二年前はアジズのリトリート。
 そして去年はアジズ&フーマンのリトリートだった。

 今年もまたアジズがやってくる。
 私はリトリート卒業のつもりだったんだが、(というのも、いつも同じ人間が出てたら進歩ないじゃん。新しい人々に席を譲ってあげないとね…)、どういう因果か、また参加することになってしもうた。

 今年の特長は、アジズの一番弟子であるアナンダが一足先に来日して、瞑想会を開くことだ。
 リーラスペースHPにもある通り、アナンダというのは、かつてダニエルと呼ばれた、三十代前半のイスラエル人。
 一年ほど前から、アジズの代わりに瞑想指導などを行っていた。
 私も昨年ゴアの海岸でアナンダの瞑想会に参加してみたのだが、思いのほか良かったという印象がある。

 アジズって、やっぱ天才肌じゃない?
 常人にはチト近寄りがたい雰囲気がある。
 それに比べるとアナンダは、どこにでもいそうな親しみやすいお兄ちゃんという感じ。
 それでよりリラックスした空気が醸し出されるのではないか。
 そのせいかは知らぬが、昨晩も坐っていて思いのほか気持ちよかった。

 実は昨晩から、千葉県津田沼の「ブルーロータス」でアナンダ瞑想会が開かれているのだ。
 今日の日曜は一日瞑想会。
 明日月曜の夜ももう一度ある。
 ご用とお急ぎでない向きは、参加をお勧めする。
 そのほかアナンダは、個人セッション、および来週末・修善寺での三日間リトリートを行う。

 今回アジズは、修善寺での九日間リトリートのみだ。
 個人セッションもしない。
 二年前は、津田沼、修善寺、大阪、沖縄と大車輪の活動だったが、いささか疲れたのであろうか。

 じつは今、成田空港の「さくらラウンジ」。
 デリー行きJAL471便の搭乗を待っているところ。
 これから仕事で一週間ほど真夏のインドなのだ。


4月25日 アジズ来日

 今、修善寺リーラスペース。
 夜九時半。
 ヒマだからぱるばか日誌でもと思う。
 (たまにゃ書かないと自分がぱるばかであることを忘れてしまう)
 
 昨夜、タイ航空でアジズが来日した。
 で、今朝、私どもが成田のホテルでピックアップし、伊豆・修善寺にお連れ申した。
 実は十一年ぶりに車を新調し、それが昨日納車となったので、最初のお客はアジズをおいてほかあるまいと思って、出迎えを申し出たという次第である。

 途中でちょっと道を間違えたんだけどね。
 成田から修善寺なんて初めてだから、前もってキヨタカに聞いておいたんだが…。

 キヨタカいはく、「東関東自動車道→首都高湾岸線→(羽田空港方面)→神奈川3号線(K3)→保土谷バイパス(16号)→東名横浜町田I/c→東名→沼津IC コレがベストです」

 その指示通り、東関道から首都高湾岸線に入り、羽田空港を通り過ぎると、たしかにK3という道路の表示がある。これをたどればバッチシだなと思っていた矢先、アジズとの会話がある微妙な点に触れかかり、それに気を取られていたら、肝腎のK3分岐点を通り過ごしてしまったのである。結局その微妙な点も触れかかっただけで終わってしまい、あわれ車は三浦半島方面へとまっしぐら。半島は半島でも三浦と伊豆はチト違う。しかし途中で気を取り直し、「釜利谷インタ」という今もって読み方のわからないインタで「東京・八王子」方面にハンドルを切り、「ウチの車は八王子ナンバーなのに、なんで今さら八王子方面なんだろう」といぶかりつつも、(あるいは、こうなりゃいっそウチに戻ってアジズとのプライベート・リトリートに切り替えようかとも思いつつ)、地図と看板と料金所係員の言葉を頼りに車を進めると、やがて東名横浜町田インタに出て、事なきを得たのであった。

 明日から5月4日までの九日間、ここ修善寺でアジズ・リトリート。
 車中でちょっと話したんだけど、アジズはもはやサットサンや個人面談は行わず、年に四回リトリートを指導するだけだという。
 インドで二回、日本で一回、西洋で一回。
 だから今秋の来日はない。
 というわけで、関心のある向きはココロして臨むべし。
 
 今、台所にいるんだけどね、キッチンスタッフが一所懸命、明日のメニューを考えている。
 けっこう豪勢なんだ、聞いていると。
 「三品はないとね…」とかのたもうている。
 な〜るほど、こういう裏方がいてリトリートが成り立っているのか。
 (オレは一汁一菜でじゅうぶんなんだけどね…)


5月6日 ぴーだれ

 昨日、修善寺のアジズ・リトリートから戻ったところ。
 なかなかよかった。
 あなたにも是非おススメしたいのであるが…。
 今回は四十人近い参加者があったのである。
 それで、部屋も風呂も食堂もけっこう満杯。
 だから、やっぱおススメするのはやめとこう。
 坐ってると脚は痛いしね〜。なんでこんなことやってんだろと思ったよ。
 (と言ってヒトリジメをたくらむ)

 そのアジズも昨日、修善寺を出る。
 駅までまた、私がお送り申し上げた。
 今ごろ機上の人であろう。

 さて、これから先はみずからの覚え書きである。
 今日ちょっとイイコトを発見したので、忘れないようにと思って。
 だから皆さんにはあんまり関係ないかも。

 夕食に家でソバを食べたわけさ。
 もりそばね。
 たれをつけて食べるやつ。

 私は信州生まれのせいか、わりかしソバ好き。
 よくそば屋に行くんだけど、食べるのはたいていモリかザル。
 ゴマダレのモリがあったら、それが一番好きかな。
 あの香ばしい油味がいい。

 今晩のソバは普通の醤油ダレであった。
 卓上にはスリゴマが用意されていたので、それをタレにふりかける。
 そういえばアジズのリトリートでもモリソバが出たなあ、となつかしみつつ。
 (三食温泉マスター付のけっこうな生活であった!)
 修善寺のキッチンには、すったクルミが用意されていたので、それを入れて食べたもんだ。

 ただ、スリゴマやスリクルミでは、いくら入れてもゴマダレみたいな油味は出ないようだ。
 ネリゴマを入れるといいらしい。
 市販されているようだから、こんど買っておこう…

 と思ったとき、ふと、トースト用のピーナツバターに思い至る。
 そこですかさず、モノは試しと、タレの中にピーナツバターを溶かし込んでみる。
 すると、これが思いのほか、うまいのだっ!
 そば屋のゴマダレに勝るとも劣らない。
 みなさんもやってみるといいよ。
 チャンクすなわちピーナツのかけらが少々入ってるタイプがお勧めかな。



5月13日 夏は来ぬ

 私の住んでいる養沢の谷にも、夏は来ぬ。
 夏が来たんじゃなくて、「夏は来ぬ」なのだ。
 すなわち、今日、ホトトギスが鳴いたというわけ。
 ホトトギスって知ってるよね、「テッペンカケタカ」とか「特許許可局」とか鳴く鳥。
 この声を聞くと、季節の移り変わりをシミジミと感じる。
 私は毎年記録を取っているのだ。いつ初鳴きしたかを。

  2002年 5月18日
  2001年 5月24日
  2000年 5月18日
  1999年 5月23日
  1998年 6月 1日

 というわけで、ここ数年のうちでは今年が一番早い。
 ま、よく家を空けたりしているから、必ずしも初鳴きというわけじゃなかったかもしれないが。

 ところで、夜になって、森の方から、不気味な鳴き声が聞こえてくる。
 ほぼ一秒間隔で「ホー ホー ホー ホー」と十二〜三回聞こえ、静まる。
 ほどなくしてまた同様に十二〜三回聞こえ、また静まる。

 この辺で夜鳴く鳥はいくつかいるが、フクロウは「ゴロスケホッホー」だし、アオハズクは「ホッホー ホッホー」だし、ヌエ(トラツグミ)は「ヒーーーー」だし、どれも違っている。
 前々から気になっていた奇妙な鳴き声であった。
 そこで近所の友人である小学校教諭・浅井氏に電話して聞いてみる。
 すると、福田氏に電話してごらんとのこと。
 福田氏というのは彼の元同僚で、鳥に詳しいのだ。
 そこで福田氏に電話して、その鳴き声のモノマネをして聞かせる。
 彼もわからなかったらしく、調べて後で電話をくれるとのこと。

 三十分ほどして電話が来る。
 福田氏ではなく、浦野という人からであった。
 この浦野氏いわく、まず間違いなくミゾゴイかオオコノハズクだとのこと。
 それでは声をお聞かせしましょうと、電話口でCDをかけ、その二種の声を聞かせてくれた。
 それでミゾゴイだとわかる。
 初めて聞く名前だが、ゴイサギの仲間なんだそうだ。
 溝五位と書く。
 わりあい珍しい鳥であるようだ。

 この浦野氏、初対面なんだけど、ウチから三キロほど離れたところに住んでいる。
 お隣の檜原村に「都民の森」というのがあるが、そこで野鳥観察の指導員などをしている人であった。
 すなわち、バードウォッチングのプロなのだな。
 ホントに好きみたいで、鳥の話をしたら止まらない。
 「都民の森」では彼の指導でよく探鳥会を催してるらしいから、今度行ってみようと思う。

 じつは先日の修善寺リトリートの折、気になっていた鳥の声が二つあったのだ。
 私の席は窓際だったので、瞑想中など鳥の声がよく聞こえたのだ。(この世界ではもはや窓際族!?)
 ひとつはおそらく水辺の鳥であろう、キョキョキョキョキョと尻下がりに鳴く。
 もうひとつは森林の小鳥で、複雑な節回しで鳴いたあと、ルッルルー、ルッルルーという特徴的な終楽章がつく。
 前者はその後、アカショウビンだとわかった。(ウチにある野鳥CDに収録されていた)
 もうひとつは今もって不明なので、今度浦野氏に会ったら聞いてみようと思う。
 鳥の声だけはホント、インターネットの検索が効かないからね。
 自分の足を使って調べるほかないのである。
 外ではミゾゴイは鳴きやみ、今度はアオハズクがかわいらしい声で「ホッホー ホッホー」と鳴いている。
 11:28PM。


6月14日 docomo.ne.jp

 ケイタイを変えた。
 三年ほど使ったJ-Phoneから、DoCoMoにした。

 理由は簡単だ。
 ウチは山中で、J-Phoneの電波があまり届かないのだ。アンテナが一本立つか立たないか。
 DoCoMoは三本立つ。
 AUは試したことないが、AUショップで調べると範囲外だという。

 だったら早いとこDoCoMoに変えりゃよかったのだが、使っていたJ-Phone機種の着メロが気に入っていたのだ。
 雅楽だ。
 篳篥(ひちりき)のミヤビな調べがよかった。

 三年たって、同じS社のDoCoMo機種に変えたら、だいぶ便利になっている。
 液晶が大きく明るい。
 文字の入力方式が改善され、反応速度もアップしている。
 その他、メールの表示や振り分けなど、様々な工夫が凝らされている。
 (そういえばデジカメまでついている)

 それに合わせて、ケイタイのメルアドも変える。
 J-Phoneで良かったのは、迷惑メールが少なかったこと。
 parva@jp-t.ne.jp という簡単なアドレスだったが、三年間で迷惑メールは二〜三通だったかと思う。

 DoCoMoに変えたとき、やはりparvaという簡単なメルアドにしてみた。
 parvaというのは日本語ではないし、「v」も入っているので、迷惑メールも来ないだろうと期待したわけだ。
 しかし甘かった。
 開設して24時間のうちに、四つも迷惑メールが来た。
 「人妻」がどうの、「デート」がどうの。
 もちろん、読まずに捨てた。

 さっそく、メルアドを変更した。
 ultrajj
 すなわち、ウルトラ爺。
 肥田式の先生である佐々木了雲師の未来像が「スーパー爺」なので、それにあやかったわけだ。

 設定して数時間後、やっぱこれじゃ短か過ぎるかなと思った。
 DoCoMoのマニュアルには、「できるだけ長いのを」と書いてある。
 それで思い切り長いのにしてみる。
 parvathebuddha
 ふっふっふ、どうだ、14文字。
 その甲斐あってか、以来57時間、まだひとつも迷惑なメールは来ない。

 言うまでもなく、Oshoの有名なコンセプト、Zorba the Buddha のもじりである。
 あっ、迷惑メールはだめだよ。


6月26日 夜汽車

 どうやらパルバ・ザ・ブッダの威力は絶大なようである。
 あれ以来二週間、ひとつも迷惑メールが来ない。
 (どういう意味かわかんない人は、ひとつ前の日誌を参照のこと)
 だいたい、パルバがブッダであろうとは、誰も知らないのである。
 (本人も知らない)

 しかし迷惑メールも含め、ほとんどメールが来ないというのも、淋しいものであるな。
 ま、自分も出さないから仕方ないか。
 駅のベンチでパソコンやってるようじゃな…。

 今、分倍河原駅。
 読めるかな!?
 「ぶばいがわら」だ。
 京王線と南武線の交差点。
 南武線という首都圏ローカル線があるのだ。
 川崎と立川を結んでいる。

 今、夜の10時51分。
 千歳烏山という京王線の駅から、我が家のある武蔵五日市に帰る途中なのである。
 すなわち、この分倍河原で京王線から南武線に乗り換え、そして立川で青梅線、更に拝島で五日市線に乗り換えるというわけ。
 京王線のほかはぜんぶ首都圏のローカル線だから、はるかなる旅路なのだ。
 夜ともなると電車の本数も減るから、こんなふうに駅のベンチでパソコンごっこもできるのである。
 多くの若者たち、あるいは一部オジサン、オバサンたちは、電車を待ちながら携帯のキーをシコシコ押している。

 今、立川行きの電車が来た。
 拍子よく座れたので、またやおらパソコンを開く。
 PowerBookG4、15インチ版だから、けっこうデカイ。
 左右に座っている人々もさだめしメイワクなことだろう。

 ついでに、京王線の千歳烏山。
 これは「ちとせからすやま」と読む。
 世田谷区にある駅なのだが、私は月に何度か、ここに通うのである。
 肥田式の稽古だ。

 さて、南武線終着駅の立川に着いた。
 でも私はすぐには電車を降りない。
 なんとなれば、青梅線の出発まで、12分の待ち合わせ時間があるからだ。
 よく知ってるだろう?
 いや、別に通い慣れてるからではない。
 パソコンに「乗り換え案内」がインストールされてるのだ。

 おもむろに青梅線のホームに移動する。
 青梅行きの電車が既に入線している。
 席がひとつだけあいていたので、そこに腰掛ける。
 シルバーシートだ。
 もう11時15分だから、まあシルバーな人も現れないだろう。

 今、電車が発車した。
 車掌は若い娘であるようだ。
 車内放送で「車内での携帯電話の使用は周りのお客様の迷惑になるのでおやめください」と言っている。
 これを聞いていつも疑問に思うのだが、この「携帯電話の使用」というのは、通話を指しているのだろうか。
 それともメールないしi-mode等も含んでいるのだろうか。
 ざっと見回すと、メールをやってる人4名、通話してる人1名いるが、その放送を聞いて自らの営みを中止した人は、誰ひとりいない。
 ま、メールくらいならたいした迷惑にもなるまい。

 青梅線に11分乗って、拝島到着。
 ここは乗り換え時間が3分しかないから、ちょっと急ぐ。
 この五日市線は八高線と並んで、都内屈指のローカル線。
 いまだに単線である。
 だから途中駅でしばらく停車し、反対方向の電車とすれちがう。

 今も、東秋留の駅で、拝島行きの電車とすれちがったところ。
 これも読めないだろう?
 「ひがしあきる」なり。
 ともかく、のんびりした田舎線である。
 乗ってる人々の様子もなんとなく鄙びている。
 そんなこんなで、終着の武蔵五日市駅に到着するのは、11時49分。
 家はそこから6キロ奥にあるから、帰り着く頃には午前様だ。


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